2007年11月閉店した「三丁目食堂」。
経営していた「商事洋光」は倒産、女性経営者は行方不明。


◆札幌テレビ放送 障害者「奴隷生活」市の対応遅れる

外部から見えにくい問題にすばやく対処する方法はあるのでしょうか?
札幌市内の食堂で働いていた知的障害者が経営者らを訴えた問題で、
札幌市は対応に遅れがあったことを認めました。
しかし行政が障害者の働く場をチェックするためには制度上の問題が
あることも浮かび上がっています。

これは札幌市白石区の食堂で働いていた知的障害者4人が、
劣悪な環境で働かされたうえ給与や年金を経営者に横領されたと
裁判所に訴えた問題です。
札幌市の上田市長は記者会見で、札幌市の対応を問う質問にこう答えました。
(上田文雄札幌市長)「(担当者の)一手が伸びない、
一つの事件をそのまま終わらせないということが必要」
札幌市は障害者を支援する社団法人を通じて、
障害者の仕事と住まいを確保する企業に補助金を渡します。
障害者を雇う企業を直接チェックする立場にはありません。
今回の問題を札幌市が察知したのは、おととしの10月。
食堂で働いていた人たちが障害者手帳の更新に訪れた時でした。
(札幌市障害福祉局・阿部裕雄課長)「外見上の身なりが普通ではなかった
という所があって相談所から札幌市へ連絡があった」
しかし、食堂の経営者から直接事情を聞いて、
立ち入り調査したのは8か月後でした。
(札幌市障害福祉課長・阿部裕雄課長)「プライバシーや家族の意向、
関係機関との調整もあるので一定程度の時間がかかる」
札幌市では上田市長の指示を受けて、調査の回数を増やすなど
障害者が働く現場をチェックする体制を強化することにしています。
障害者の職場と暮らしに行政が深く関与するのが難しい現在の制度
ー障害者の自立支援を進めるうえで、
今回の問題は大きな課題を投げかけています。

(2008年2月14日(木)「どさんこワイド180」)

◆知的障害者年金「横領」 札幌市、対応に遅れ 過酷な環境、06年に疑念(02/14 14:02) 北海道新聞

 札幌市白石区の食堂で働いていた知的障害者四人が、給与の未払いや
障害者年金の横領があったなどとして、
食堂の経営会社「商事洋光」(白石区)などに損害賠償を求めた訴訟で、
札幌市は原告のうち三人と面談し過酷な労働環境にあるとの疑いを持ちながら、
八カ月間も保護などの具体的な措置を取っていなかったことが分かった。
中田鉄雄市保健福祉局長は「もっと早く実態把握すべきだった」と話し、
対応の遅れを認めている。

 市によると、札幌市知的障害者更生相談所は二○○六年十月、
療育手帳の更新の際に三人と面談し、古びた服を着てつめの汚れが
ひどいことなどから労働環境に疑念を抱いた。
しかし、同相談所が市障がい福祉課に報告したのは○七年一月で、
さらに同課などが食堂の経営者に事情聴取したのは同年六月四日だった。
市は同月十一日、障害者年金が振り込まれていた通帳の提出を経営者側に求め、
四人を保護した。

 食堂の経営者は市に対し「障害者年金は会社の経費に充てた」と
流用を認めているという。
市は四人が暮らす寮を運営する社団法人
「札幌市知的障害者職親(しょくおや)会」に一九九三−二○○五年度、
計約二千七百万円の補助金を支出したが、
この間、一度も現地調査をしていなかった。

◆「給与、年金詐取された」 知的障害者4人 札幌 賠償求め提訴へ(02/13 07:18) 北海道新聞

 札幌市内の食堂で働いていた知的障害者四人が、
長年にわたり給与と障害者年金を食堂経営者らに詐取されたとして、
食堂を経営する札幌の会社などを相手取り、
約四千五百万円の損害賠償を求める訴えを十三日、札幌地裁に起こす。
これに対して食堂側は関係者に「四人の生活費を賄っており、
負担の総額は給与を上回っている」などと説明しているという。

 同社以外に訴えられるのは、同社が加盟していた札幌の障害者支援団体と
空知管内の金融機関。

 障害者四人の代理人の西村武彦弁護士によると、
四人は昨年までの十三−三十年間、札幌市白石区の食堂に住み込みで勤務。
一日十二時間以上働き、休日は月に二日だけだった。
この間、同社は少なくとも、一九八九年以降の四人の給与計約六千六百万円を
支払わなかった。
住み込みの寮に浴室はなく、四人は銭湯代三百九十円を
週一回もらっていただけだという。

 また同社は九九年、四人の障害者年金の振込先として空知管内の
金融機関に四人の名義で口座を開設。
しかし、四人は年金を一度も受け取っておらず、
同社が無断で全額約二千六百万円を引き出していたという。
四人は、本人確認をせずに口座開設を認めたために被害が発生したとして、
金融機関にも賠償を求める。

 障害者支援団体は、知的障害者の就労を促進する団体で、
同社は八九年から加盟。同団体は二○○六年度まで、
四人が生活する寮を所有しているとして
札幌市から年額約二百万円の補助金を受けていた。
四人は「寮の運営責任者なのに、
長時間労働や不衛生な環境などの問題を長年放置した責任がある」としている。

 この問題は、札幌の弁護士らが昨年一月に行った
障害者の家族向け電話相談で発覚。
九八年以前の給与不払いや年金着服を含めると、四人の被害総額は
一億数千万円に上るという。
時効などの問題があるため、請求額は四千五百万円に絞った。

 一方、食堂を経営していた会社側は関係者に
「四人の住み込みの生活費は給与を上回っており、
実質的には持ち出しになっている」などと説明しているという。

 訴える側の西村弁護士は
「この会社は障害者を積極的に雇う社会的企業を装っていたが、
実際は奴隷扱いしていた。
実態に気付かなかった支援団体や福祉行政にも問題がある」と批判している。

 同食堂は昨秋ごろに営業を停止し、現在は建物も取り壊されている。

◆給与不払い 知的障害者4人提訴(02/14 07:06) 北海道新聞

 札幌市内の食堂で働いていた知的障害者四人が、給与を支払われなかったうえ、
障害者年金を横領されたとして、食堂経営会社の「商事洋光」(札幌)などを
相手取り、約四千五百万円の損害賠償を求める訴えを十三日、札幌地裁に起こした。

 訴えたのは道内に住む三十五−五十一歳の女性三人と三十二歳の男性。
訴えられたのは同社のほか、障害者支援団体の
「札幌市知的障害者職親会」(札幌)と北門信金(滝川)。

 訴状によると、四人は昨年までの十三−三十年間、商事洋光が経営する
札幌市白石区の「三丁目食堂」に住み込みで勤務。
一日十二時間以上働き、休日は月に二日だけだった。
一九八九年以降、給与を一度も受け取っておらず、
総額は約六千六百万円に上るという。

 住み込みの寮は同食堂の二階などにあり、職親会が運営していた。
また、同社は九九年、四人の障害者年金の振込先として四人名義の口座を
北門信金に開設。以降、無断で全額計約二千六百万円を引き出したという。

 食堂は昨年十一月ごろに営業を停止し、商事洋光の経営者らは現在、
連絡が取れない状態。
同社は八九年から職親会に加盟していた。
職親会は「(障害者に適切に対応していると)商事洋光を信用していた。
今後の対応は訴状をよく読んで検討する」とし、
北門信金は「訴状を見ていないのでコメントできない」としている。

◆ 朝ズバッ! みの「奴隷なんて言葉が出てくるご時世だとは・・・」2008/2/15 J-CASTニュース
「こんなことが、日本であるのか」とみのもんたが目をむいた。
札幌市の食堂経営者が、長年にわたって知的障害者4人をただ働きさせたうえに、
障害者年金まで横領していた。
4人はおととい(2月13日)、食堂の運営会社と支援団体を訴えた。
代理人の西村武彦弁護士によると、未払の給与の合計が6600万円、
年金額が2600万円になる。
被害者は女性3人と男性1人。
食堂に住み込みで16年から最長は30年近く働いていたが、
その「実態」を聞くと奴隷さながらだ。
朝7時から12時間以上、遅くは午後10時まで働いていたが、
食事は昼夜を問わず厨房で立ったまま。
男性はなぜか、夕食なしだったという。
仕事が遅かったりうまくできなかったりすると、厨房のなかで罵詈雑言。
トイレに行くだけでも、経営者に怒られていたという。
しかも、休日は月に2日だけ。給料はゼロ。
もらえるのは月2回の銭湯代390円だけ。
女性3人は銭湯でも1人だけは湯に入らず、
浮いた390円で3人分のジュースを買って飲んでいたという。
おまけに障害者年金は、それぞれの通帳に振り込まれたものを、
経営者が勝手に引き出して食堂経営資金にしていたのだと。
2006年10月、4人が札幌市厚生相談所を訪れて実態が明るみになり、
07年6月に保護された。
「4人とも手足のあかぎれは最悪の状態で、やせていた」と弁護士はいうが、
みのならずとも「明治時代じゃあるまいし」と思うような話だ。
が、経営者は弁護士に「この子らの面倒を見てやってる。
何も悪いことはしてない。ただ、年金は使わせてもらった。
給料は払ってない」といっているそうだ。
なぜ、だれも気づかなかったのか。札幌市は、
「ベテランの職員が年に数回、経営者と入所者の話を聞き、働きぶりを見て、
問題ありと認識していなかったわけで、それ以上何をするべきだったのか」と
いう。
そのベテラン職員とは、知的障害者支援団体の職員のこと。
今回4人が訴えている相手である。
その団体は「年に5、6回は行っていた。管理は食堂を信頼して任せていた。
特に疑うようなことは感じられなかった。
一企業のことにどこまで口だしできるか」というのだから、
要するにだれも見ていなかったわけだ。
「奴隷なんて言葉が出てくるご時世だとは思わなかった」とみの。
「年に何回も見に行っていながら、30年間もわからないなんておかしい」
吉川美代子は「経営者に聞いたらいいこというに決まってますよ」
ここで浅野史郎が「20年前に厚生省の障害福祉課長やってましたが」と
口を切った。
「障害者の人権問題研究会というのを私的につくってましたが、
こういう事例は沢山あった。女性の知的障害者への性的虐待とか。
氷山の一角だと思う」
「本人たちの身体の状態を見て、これはおかしいと思う想像力と関心を
もたないといけない。犯罪のなかでもいやしい犯罪ですよ」
杉尾秀哉は「完全な刑事事件ですよ。横領です」
みのは「よく我慢したと思いますよ」と4人の状態を整理してみせた。
「歯磨きはさせない」「下着は汚れたまま」「排便の始末も満足でなかった」。
浅野は「(支援団体は)見てなかったんじゃないか。見てればわかりますよ」
いま4人はずいぶんと健康状態がよくなって、
笑顔も見られるようになっているという。にしても、30年とは――。